Planet Blue

あざといカメラ出しましたね、ニコンさん

Nikon Dfのことです。
ターゲットユーザーは非Ai Nikkor レンズ資産をお持ちの方でしょう。

某カメラ誌のアンケートで65歳以上の読者では、デジタルで撮影したことがないという方がまだ3割程度いるそうです。 そこを掘り起こしたいということですよね。 そう考えれば、Dfの外観や仕様は全て理に適っている。

画素数を1625万画素に抑えたのは、ターゲットユーザーがPCを持っていないか、持っていたとしてもメーカー製の低スペックなPCを常駐ソフトが何個も動いているような重い状態で使っていると見てのことでしょう。 画素数は少ない方が取り扱いがしやすい。 もちろん、D800のような高画素は将来的なディスプレイの高解像度化をにらめば無駄ではありません。 しかし、このカメラに興味を持つ人は写真=紙焼きですから1600万画素で十分ということになります。

フラッグシップのD4と同じセンサーというのも大きな売りになる。 D4のセンサーは決して高画質なセンサーではありません。 低感度域ではD800やD610に画質で負けています。 確かに高感度域ではD4のセンサーはノイズが少ないんですが、D800だってRAWで撮影してノイズリダクションを掛けて縮小してやれば、それほど高感度ノイズに差は出ません。 重要なのはフラッグシップのD4と同じ画質だということでしょう。

ニコンは虚栄心を突くのが上手い。 D300の時もそうでした。 D300という名の中級機を「APS-Cの」フラッグシップと位置付けて、D3と同時発表することによって、D3とD300がまるで同格のカメラであるかのような印象を与えることに成功しました。 この宣伝戦略によってD300は大ヒットする。 あんなに画質の悪いカメラなのに。 この時のニコンは見事でした。 基本的な考え方は同じだと思います。

ダイヤルを沢山付けたのも操作性を良くするためではないでしょう。 そもそも露出補正ダイヤルが左手側にあって、しかもロック機構が付いているように見えますから、操作性はそんなに良くないはず。 大切なことはMF一眼レフと同じダイヤルを持たせることによって、昔馴染んだ操作で簡単に使えますよということをアピールしたいわけです。 例えばタッチパネルのような操作には相当強い抵抗感があるでしょうからね。

動画機能を取り除いたのも、「カメラに動画機能はいらない」と考えている人がターゲットだからです。 必要なければ使わなければいいだけなのに、なぜ「いらない」と言ってしまうんでしょうね? それは動画がよくわからないからです。 自分がよく分からない機能がついてると、それを使いこなせない自分がバカみたいに感じられるから、付けて欲しくないんです。 デジタル一眼の動画機能は素晴らしい。 デジタル一眼に動画が搭載されたことによって、それまで一般人には不可能だった画質や表現が手に入りました。 ただ、その性能を引き出すにはスキルが必要だというだけの話です。

Dfを見渡すと、未だにデジタルに移行できない人たちが持つ、デジタルへの抵抗感や不安感を取り除く方向ですべての仕様が設計されている。 加えてMF一眼レフのような外観、「MADE IN JAPAN」の刻印。 さすがにここまで分り易すぎると、私なんかはあざとさを感じてしまいます。

このカメラを私が購入することはありませんが、どの程度売れるのかには興味を持っています。 もしこれでニコンが一山当てれば、次に来るのはデジタル版Nikon SPなんじゃないかなと予想しています。

広告

Written by firefennec

2013年 11月 8日 @ 21:57

カテゴリー: カメラ