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BDZのVHSダビング機能の詳細

BDZは外部入力からの映像をH.264で録画できます。 一般的なDVD/BDレコーダーにあるMpeg-2の9Mbps以下という制限がないので、BDZでのVHSやLDのダビングに注目している人もいるのではないだろうか。 メーカーが「カンタンVHSダビング」機能を付けるぐらいだから、まだまだ需要はあるのだろう。 にもかかわらず、検索してみても有用な情報が出てこない。 なので、BDZ-RS15で実際に自分でダビングしてみた詳細を書いてみたいと思う。

BDZに付いている「カンタンVHSダビング」機能は、外部入力からの録画の手順を示すガイド機能だ。 外部入力に繋ぐ機器はVHSだけでなくLDなどでも問題ない。 「カンタンVHSダビング」だからといって、特にVHS向けのノイズリダクションなどの処理は行っていないと思われる。 外部入力からの録画は、コントラスト、輝度、色の濃さ、色あいの4つのパラメータを変更できる。 この設定は、カンタンVHSダビングで録画したときにも反映される。

カンタンVHSダビングで設定できるのは、録画時間と映像のビットレートのみ。 音声はAC-3の256kbps一択となる。 音声のビットレートを変更したり、Linear PCMで録音することはできない。

録画したファイルは「VHSビデオ映像」というタイトルが付けられて保存される。 このファイルはBD-REに無劣化コピー(高速ダビング)できる。 ファイルは暗号化されていないので、BD-REをPCのBDドライブに入れれば、ファイルをPCにコピーできる。 実際のファイルは、BDAV/STREAMフォルダ内にm2tsという形式で保存されている。 m2tsファイルはWin7のWMPであれば、特に追加のコーディックのインストールなしで再生できる。 VLCなどでも再生可能。

m2tsファイルをtsMuxeRに入れてみたのが上の画像。 映像がH.264 High Profile Level4.0 720x480i 29.97fps、音声がAC-3 256Kbpsだと分かる。

実は私、BDZは外部入力をH.264で録れると聞いて、てっきりmp4で録画できると思ってたんだよね。 それなら、720pに対応しているiPad/iphone 4なら再エンコなしで転送できるんじゃないかと。 しかし、それは間違いだった。

音声がAC-3なのでAACに再エンコードする必要があるし、映像部もインターレース記録なのでプログレッシブに変換しなければならない。

で、このm2tsファイルをiPodに転送できるようにエンコードしようとすると面倒な話になるわけだ。

というのも、m2tsファイルにはFriioなどの地デジ経由のm2tsファイルも存在し、それは映像がmpeg-2、音声がAACとなっている。 つまり、同じm2tsファイルでありながら、BDZから持ってきたm2tsファイルとは全く別物なのだ。 なので、情報自体がかなり倒錯しているし、ソフトがH.264+AC3のm2tsに対応しているかは自分で試してみるしかない。

いろいろ試してみた結果、MediaCoderでエンコードできることが分かった。 ただ、デフォルト設定だと映像部がスロー再生のようになってしまい正常にエンコードできない。 いろいろ設定を弄ってみたんだけど、おそらくソースの部分の自動選択のチェックを外したら正常にエンコードできるようになった。

m2tsファイルの無劣化カット編集は、TSSniperで行える。 ただ、TSSniperでやるにしても、BDZ内でやるにしても、カットの前後にゴミが残るようだ。

一度、PCのHDDに抜き出したm2tsファイルをBD-R/REに戻すには、tsMuxeRを利用する。 tsMuxeRでAVCHD diskとしてアウトプットし、ImgBurnの構築モードで焼けばBDZで再生できるディスクが完成する。

BDZの外部入力で録画したものは色空間がBT.601になる。 なので、PCでYC伸張せずに再生するとTVで見るのに比べて色がやや灰色に表示される。 これを再エンコするときにYC伸張するか、再生時にYC伸張してやるかは微妙なところ。 エンコード時にYC伸張すると、YC伸張できない再生環境(iPhone等)でもTVに近い色に表示される反面、BT.601の範囲外の情報が潰れてしまう。 環境によってはYC伸張が二重に掛かる事もあるかもしれない。 再生時対応だと、YC伸張に対応していない環境だと色がやや灰色になる。 どちらが正解なのかは分からない。

仕様表では触れられていないが、三次元Y/C分離回路は搭載されている。 ただ、動きのない部分ではクロスカラーが綺麗に取り除かれるのに対して、動きのある部分ではクロスカラーが見られるので、アナログ時代に定評のあったニジマナイザーなどの三次元Y/C分離回路と比較して、性能はそれほどではないのではないかと思っている。

また、VHSをダビングする時に画面がピクピクっと縦ブレすることがあった。 これはビデオデッキのTBCを切ってやるとおさまった。 VHSからのダビングで画面が縦ブレする場合は、送り出し側のTBCを切ってやるといいだろう。

・結局、デジタル化するための道具としてどうなのか?

BDZでBD-Rにでもして自己再録するだけなら、かなりいいと思う。 XRで録っておけば、特別なこだわりがなければ画質と音質には充分満足できると思う。 しかし、音楽LDをダビングしたいとかいうのであれば、音声がAC-3 256Kbpsというのが最大のネックになる。

BDZで録画した映像をPCに持って行こうと思うと、いろいろ問題がある。 m2tsファイル自体かなり扱いにくい。 PC上で再エンコードするのなら、最初からPCで無圧縮or可逆圧縮でキャプチャーすればいいじゃないという話になる。 自分もそれが正しいと思うのだが、マトモな画質でWin7の64Bitでアナログキャプチャーできるボードがないような気がするんだよね。 デジ造のようなUSB接続の物では、ADコンバータの質から考えて、例え無圧縮で録ってもBDZで録ったものに画質で負けるのではないだろうか。

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Written by firefennec

2010年 7月 9日 @ 05:48

カテゴリー: 映像機器